ふと思い立って、セカンドルームとして使用している部屋にアクアリウムを導入することにしました。基本的なコンセプトとしては……主にスペースの都合から、インテリアとしてもバランスの良い30cmキューブ水槽で。生体については、いかにもデコラティブなものは昔から苦手なので、いわゆる日淡、日本産淡水魚を考えます。そして、大きな光量やCO2添加を要求されない簡単な水草を、寂しくない程度に。結果、割合イメージ通りに立ち上げることが叶ったので、ここに記録しておきます。

最初に揃えたもの
- 水槽
- ますは水槽。コトブキの「クリスタルキューブ300
」を購入。価格も手頃で、悪い評判もなさそうだったので。定番……なんだと思います。
- 水槽台
- こちらもコトブキの「プロスタイル300/350SQ(ブラック)
」を購入しました。30cmキューブ水槽用として、既製の専用キャビネットを使うのであれば、ほぼこの一択ではないでしょうか。色や高さなども目的にぴったりでした。ただ、もう少しいろいろな製品が市場に出ると楽しいですね。変化が欲しい人は、自作したり、必ずしも水槽向けではないラックを転用したりと工夫しているのでしょう。
- 水槽用マット
- 正直に白状すると、今まであまりこだわったことがなく、今回も小型水槽なのでどうかとも思ったのですが、フレームレス水槽ということもあり念のため。水槽の下に敷きます。プレコの「セーフティマット」です。
- バックスクリーン
- フィルムタイプのものを貼ろうかとも考えましたが、交換も容易な塩ビ製のハードタイプを選択。色は黒です。
- 照明
- 「部屋の中で水槽だけがやたら煌々と輝く」というのもおかしなもので、それほどパワーを求めるつもりはなかったため、やや小型のLEDで。コトブキの「LEDスリム3040
」を選択。どうしても暗ければもう一本同じライトを並べればいいですね。
- タイマー
- 照明点灯時間の厳密な管理のため……ではなく、何しろセカンドルームなので、毎/日帰る部屋ではありません。入切のために必須でした。リーベックスの「簡単デジタルタイマーPT70
」。
- ソイル
- やたらと「コストパフォーマンスが良い」と評判の「マスターソイル
」を使うことにしました。底面の表情に変化がつけば面白いかもしれないと考え、粒のサイズが異なる二種類、「マスターソイルHG」と「マスターソイルHGスーパーパウダー」を3リットルずつ。色は両方ともブラックにしました。

設置~空回し
一通りの機材を組み立てたら、適当な傾斜などを付けつつソイルをセット。ソイルは「手前は薄め、奥は厚めに敷く」というのが一つのセオリーになっていますね。今回は、水槽が部屋の角近くに位置すること、側面から見る場合も出てくることなどを考慮して変化をつけてみました。尚、粒子の荒い「マスターソイルHG」を先に敷き詰め、その上に粒子の荒い「スーパーパウダー」を載せるという順番ですが、この辺は水草を植えたり生体を入れたりという中で、自然な荒れ具合が出てきてくれればというところです。(実際、徐々にスーパーパウダーが隙間に沈み込んでいく形で、わざとらしさのない水底が形成されたように思います。)
ここまで来たら、早速水を入れてフィルターの空回し。空回しの必要性の有無については議論もあるところかと思いますが、これもセカンドルームという特性上、いずれにしても次に作業できるタイミングまで間が空いてしまうため。結果、1週間ほど水が回っているだけという状態になりました。
水草の植え付け
冒頭で書いた通りのコンセプトなので、あまり環境にうるさい水草は育てられません。前景草に凝るのは難しいため、中〜後景草を極力シンプルに繁茂させていきたいと考えました。選んだのは、ロタラ類の中でも最も生育が簡単と言われることもあるセイロンロタラを20本ほど、それに小さめのアマゾンソード
を数株。根の部分を指先でそっとソイルに押し込んでやるだけ。水草の植え付けに合わせて、小ぶりの溶岩石も配置しました。この状態で、さらに10日間ほど放置です。
生体の導入
さて、その後はいよいよ生体を入れて完成。住まわせる魚の条件は……。
- 日本産淡水魚
- 水質・水温等にデリケートすぎないこと
- 大きく成長しすぎないこと
- ある程度長め(数年間)の寿命があること
といったところでしょうか。ある意味贅沢なクライテリアではあるものの、「見た目は地味な日淡でいい(むしろそのほうがいい!)」という希望のお陰で、選択肢を持つことはできました。最後まで迷ったのは、ヒナモロコにするかカワバタモロコ
にするか。いずれも成魚で5cmほど。細かいことを言わなければ生態も比較的似通っています。大きく違いそうなのは、ヒナモロコはカワバタモロコに比べ飼育環境下での繁殖例も多いらしいという点。特に数を増やしたいわけではありませんが、「産卵でも見られたら面白いかな」という気持ちでヒナモロコに決定しました。
最後にヒメタニシを数匹投入……と思ったら、ショップで購入した個体の中にイシマキガイが一匹紛れ込んでいました。まあ、イシマキガイならいいですね。
その後の経過
生体を入れて2か月ほどが経ちましたが、何らトラブルはなく順調です。ヒナモロコは言うまでもなく、ロタラやアマゾンソードも元気に生長。2~3週間に一度、ごく大雑把に水草のトリミングをしてやればよさそうです。何よりも、インテリアとしての役割をバッチリと果たしてくれているのが気に入っています。30cmキューブ、非常に簡単でお勧めできますよ。